LAN環境における協調作業支援システムとその図書館サービスへの適用

後藤清記,趙 燕春,阪口哲男,杉本重雄,田畑孝一
図書館情報大学
〒305 茨城県つくば市春日1-2
Tel: 0298-52-0511, Fax: 0298-52-4326, E-Mail: {gotou, zhao, saka, sugimoto, tabata}@ulis.ac.jp

概要

図書館員がネットワークを介して,遠隔地の利用者へリアルタイムに図書館サービスを提 供するためには,検索方法を工夫した検索ソフトと協調作業を支援するアプリケーション が必要となる.そのために,書架のイメージを持つ蔵書検索システムと協調作業支援シス テムを作成し,事例に適用した. 協調作業支援システムは,テレビ電話,仮想共有ディスウレイ,ホワイトボード,イメー ジツールと制御ツールからなり,これらを利用することで図書館員はネットワークを介し て,利用者にサービスを提供することができる.書架のイメージを持つ蔵書検索システム は,直感的に検索ができるように,書架のイメージをディスプレイ上に表示することを行 った. また,協調作業支援システムの有用性を評価し,図書館の利用者サービスへの適用性を確 かめるために「OPACの利用方法を利用者に教える」ことを例として,評価実権を行った.

キーワード

ディジタル図書館,図書館サービス,協調作業,協調作業支援システム,検索システム, LAN環境,書架イメージ

Development of a Collaboration Support Tool under LAN Environment and Its Application to Library Services

Seiki GOTOH, Yanchun ZHAO, Tetsuo SAKAGUCHI, Shigeo SUGIMOTO, Koichi TABATA
University of Library and Information Science
1-2, Kasuga, Tsukuba, Ibaraki, 305, JAPAN
Phone: +81 298-52-0511, Fax: +81 298-52-4326, E-Mail: {gotou, zhao, saka, sugimoto, tabata}@ulis.ac.jp

Abstract

Collaboration support tools with well-designed user interfaces are essential to provide library users with good environments for their intellectual activities. This paper describes a collaboration support tool and an OPAC which has a bookshelf-like graphical user interface. The collaboration support tool is composed of a TV-phone, a shared virtual display, a white board and an image tool. A user and a librarian can talk with each other via the collaboration tool looking at books displayed on a virtual bookshelf together. We evaluated the applicability of the system by applying it to the reference service that a librarian instructs a user to learn operations of a GUI-based OPAC, which is in operation in our university. We applied this experiment to 30 testees, and got the positive result from the answers of the questionares given to the testees.

Keywords

Digital Libraries, library services, collaboration work, collaboration support tool, OPAC, LAN environment, Graphical Bookshelf Browser

1. はじめに

 近年のネットワーク,マルチメディア技術の発達により,多種多量な情報を電 子化して蓄積し,ネットワークを介して流通させる役目を持ったディジタル図書 館が現実のものになろうとしている.現在,すでに日本では,いくつかのディジ タル図書館のプロトタイプが作成され,稼働している.

 ディジタル図書館は,ネットワークを介して,本文を含むすべての情報をコン ピュータで簡単にいながらにして取り出すことが出来る.しかし,膨大な情報の 中から,自分の欲しい情報を取り出すことは可能なのであろうか.たしかに,す べての情報が電子化されて蓄積されているので,全文検索によって求める情報を 得ることはできるが,ディジタル図書館が所蔵している情報すべてに対して行お うとすると膨大な時間が必要となる.また検索の際には,よほど適切な条件を付 けない限り,検索結果は極端に多いか,まったくないかのいずれかになる[3].

 従来の図書館において,オンライン検索ソフトなどの図書館システムが存在し なかったときには,図書館利用者は求めている情報を得るために,図書館まで足 を運び,多くの本を館内で見て探すか,図書館員に参考業務を依頼して情報を得 ていた.現在はオンライン検索ソフトが充実し,図書館に行かなくても,利用者 は自分が求める本のタイトルや文献の抄録を得ることは可能になってきたが,そ の内容情報が欲しいときには図書館に出向いたり,Faxサービスを依頼すること になる.今後構築されるディジタル図書館においては,従来の図書館と違い,本 や文献の内容そのものを電子化して蓄積するようになり,利用者は図書館に足を 運ぶことなく,それらをネットワークを介して取り出せるようになる.この際に ,その膨大な情報の中から求めている情報を得るために,ネットワークを介して 行われる図書館員の情報検索に関する参考業務が重要になると考えられる.

 また,ディジタル図書館では,情報量が目に見えるものではなく,どれだけあ るか把握できないために,膨大な量の情報を探索している間に情報の海に溺れて しまうことも考えられる.このようなことにならないためにも,図書館員はネッ トワークを介して遠隔地の利用者に対して,情報検索の協力や情報源へのアプロ ーチへの協力など利用者サービスを提供する必要性が出てくる.

 ディジタル図書館における利用者サービスは,従来の図書館では図書館員と利 用者がそばにいて逐一協調して行えた作業を,遠隔地にいる利用者とリアルタイ ムに協調して作業を行うために,ネットワークを介してサービスを提供するため の協調作業支援システムが必要となる.このシステムは,従来の図書館において ,図書館員と利用者によってカウンタ越しに行っている環境を,ネットワーク越 しにそれぞれのディスプレイ上に構築し,情報提供を行う.具体的には,お互い の顔を見ながらコミュニケーションするための機能,情報を伝達するための機能 ,情報を検索するための機能などを持つシステムを,LANとワークステーション を利用し構築する.また,システムの有用性を評価するためと図書館の利用者サ ービスへの適用性を確かめるために,「OPACの利用方法を利用者に教える」こと を例として,本学学生に利用してもらい,アンケート調査を行った.

 また,ネットワークを介して図書館を利用する場合における検索システムのイ ンタフェースとその利用についても述べる.

2 将来の図書館における協調作業支援

2.1 ディジタル図書館への期待と協調作業支援技術の役割

 NII(National Information Infrastructure)構想[4]やコンピュータ技術の発 達により,ディジタル図書館に関する研究が盛んに行われるようになってきた. ディジタル図書館は,電子図書館とも言われ,多種多様な形態や内容の大量の情 報をすべて電子化して蓄積し,流通させる役目を持った図書館である.またこの 図書館は,ネットワークによって図書館外部から多種多様な人々がアクセスする ことが可能なので,「壁のない図書館」とも言われている.

 現在,ディジタル図書館は,NIIの重要課題として捉えられており,HPCCのサ ブ計画の一つであるIITAの中の一分野として,NSF,NASA,ARPA,NIHなどによっ て研究助成が行われている[9,10].

 日本では,国立国会図書館「関西館」が,21世紀に向けた高速通信社会での図 書館サービスの新たな展開を図ることを目的の一つとして計画されており[2]. その他には,ディジタル図書館のプロトタイプとして,学術情報センターは学会 論文をもとにして電子図書館システムNACSIS-ELS[1]を,関西文化学術研究都市 においては電子図書館プロトタイプシステムが稼働している.また,通産省では 電子図書館システム事業の一環として,電子図書館のモデルとなるべきパイロッ ト電子図書館システムを構築しようとしている[5].

 ここで,ディジタル図書館の持つべき機能を考える.機能としては,図書館資 料の収集,収集した資料のデータベース管理,所在情報などの図書館資料サービ ス,図書館員の利用者へのサービスなどを24時間体制でネットワークを介して行 うことが出来るようになるであろう.この中でも,利用者へのサービスは,ディ ジタル図書館の多種・大量の図書館資料によって利用者が情報の海で遭難しない ために,従来の図書館以上に重要になると考えられる.

 図書館員の提供する利用者サービスには,OPACなどの情報検索ソフトの整備, 他の情報源の確認と保持,参考業務などがある.情報検索ソフトの整備は,所蔵 している情報を検索するために,他の情報源の確認と保持は,他のディジタル図 書館やインターネット上の多くの情報源を確保するために不可欠である.また参 考業務は,利用者に対して,情報検索の協力,情報源へのアプローチへの協力, オンライン検索ソフトの使い方の指導などを行う必要がある.

 その他,よりよい情報検索ソフトを構築することも重要である.ネットワーク を介して図書を検索する場合,一般的に文字情報のみで文献を探すことになる. しかし,本来図書館に行って文献を探す場合には,文献の高さや厚みなどの外観 と書名を見て,直感的に探すことが多い.そこで,図書館に行って検索を行うの と同じように,本が並んでいる書架のイメージを持つ蔵書検索システムが有効で あると考えられる.

 ディジタル図書館における参考業務は,従来の図書館では図書館員と利用者が すぐ近くにいて逐一協調して行えたことを,遠隔地にいる利用者に対し,ネット ワークを介して行わなければならない.ネットワークを介して参考業務を行う場 合,多少時間がかかってもよいものや情報だけを提供してもらいたいときには, 電子メールなどを利用して行うことが可能である.一方,すぐ教えてもらいたい もの,情報へのアクセス・探索方法が知りたいときには,図書館員と利用者がネ ットワークでつながったコンピュータを用いて,リアルタイムに協調して作業を 行うための協調作業支援システムが必要となる.

 従来の図書館における参考業務は,図書館員と利用者の会話,情報を伝達する ためのカウンタ,情報を調べるための道具などが業務を行う上で,必要な要素で あった.そこで,ネットワークを介した協調作業支援システムにおいても,図書 館員と利用者がコミュニケーションを行うための機能,作業を共有し情報を伝達 するための機能,図書の一次情報,二次情報を検索するための機能などが必要に なると考えられる.

 ディジタル図書館においては,この協調作業支援システムを利用して,図書館 員が遠隔地にいる利用者に図書館サービスを提供できるようになり,また書架イ メージを持つ蔵書検索システムと協調作業支援システムを組み合わせることによ って,より効果的な利用者サービスが提供できるだろう.

2.2 協調作業支援システムの図書館サービスへの適用

ディジタル図書館における利用者への図書館サービスには,図書館システムと ソフトウェアの整備によるゲートウェイ・サービス,ネットワークを介した参考 業務,ネットワークを介した朗読などが考えられている[6].

 図書館システムとソフトウェアの整備によるゲートウェイ・サービスでは主に ,図書館員によってネットワークやコンピュータ技術の発達に伴った,図書館シ ステムや必要なソフトウェアの整備を行う.そして,メンテナンスされた図書館 システムや協調作業支援システムを用いて,ネットワークを介した参考業務,ネ ットワークを介した朗読などのサービスが利用者に提供されるようになるだろう .以下に,これらの利用者サービスと,そのサービスにおける協調作業支援シス テムの適用について述べる.

 ネットワークを介した参考業務には,図書館員が利用者に対して情報源へのア プローチの協力,情報検索の協力,情報の翻訳,オンライン検索ソフトの利用方 法や探索方法の指導などを行うことが考えられる.

 情報源へのアプローチの協力は,利用者の要求を図書館員が理解し,要求に適 合する情報を所蔵していると思われるディジタル図書館やネットワーク上の情報 源への案内を行う.具体的には,利用者にその場所を電子メールなどを使って間 接的に,またテレビ電話などを使って直接的に伝えることによって行ったり,情 報源にアクセスするためのソフトウェアを用いて,図書館員が利用者に見せなが ら直接その場所まで案内することが考えられる.

 情報検索の協力は,図書館員が利用者の意見を聞きながら情報検索を行うもの である.ディジタル図書館においては,膨大な量の情報が蓄積されており,利用 者にはどれだけ量があるか見当もつかない.そのため,情報検索のプロである図 書館員が利用者と共有したオンライン検索ソフトを用いて,検索状況を利用者に 見せながら検索することが有効であると考えられる.

 情報の翻訳は,ディジタル図書館やネットワーク上の情報源から得た情報を, 利用者にわかるように翻訳することである.ディジタル図書館は,外国語による 情報も多く取り寄せられるため,図書館員は外国語の情報を翻訳して,利用者に 提供することを行う.この際,図書館員と利用者は共有した画面上に表示された 情報の内容を見て,テレビ電話で話をしながら,コンピュータ上の各種の言語辞 書,自動翻訳ソフトなどを用いて協調しながら翻訳を行うことが考えられる.

 オンライン検索ソフトの利用方法や探索方法の指導は,利用者がディジタル図 書館にある情報を得て,その情報を理解するために必須である.ディジタル図書 館では,目的の情報を探すために,主にオンライン検索ソフトを用いて情報探索 が行われる.これらを使用するためには,あらかじめ図書館員が利用者に対して ,オンライン検索ソフトの利用方法やそれらを用いた探索方法を指導する必要が ある.このために協調作業支援システムを用いて,図書館員が利用者に対して, 共有したオンライン検索ソフトに関する解説を行うことが考えられる.

 ネットワークを介した朗読は,子供や高齢者,障害者のために有効なサービス である.ディジタル図書館では,ネットワークを介して各家庭にいる子供に対し て,テレビ電話で相手の顔を見てリアルタイムに話すことが考えられる.また, 図書館に来ることがままならない高齢者や障害者に対しても,図書館員がネット ワークを介して行う朗読は有効である.

 これらの利用者サービスの他には,ディジタル図書館において協調作業支援シ ステムを用いて,グループによる知識の蓄積と利用を行うことが考えられる[7,8].

3 LAN環境における協調作業支援システム

3.1 システムの概要

 従来の図書館における参考業務は,利用者が図書館のカウンタに来て,図書館 員に調べて欲しいことについて話し,図書館員は利用者の欲しい情報を検索ツー ルなどを用いて探し,情報提供をするということを行っていた.これは,ネット ワークを介して参考業務を行う場合においても同じである.

具体的には,図書館員と利用者がコミュニケーションを図るために,画面に相 手を表示し話をする機能や文字や絵を描いてコミュニケーションを図る機能,情 報を伝達するためのカウンタとして,本などの情報をディスプレイに表示するた めの機能や自分の操作を相手のディスプレイに表示する機能,情報を調べるため の道具として,一次,二次情報を調べるための機能や蔵書を検索するための機能 などが必要になると考えられる.

 本研究では,上記の機能をツールとして持つ協調作業支援システムを作成した .システムは,制御ツール,テレビ電話,仮想共有ディスプレイ,ホワイトボー ド,イメージツールの五つのツールから構成されている.Fig.1に協調作業支援 システムの構成図を示す.

各ツールの役割は,テレビ電話とホワイトボードは図書館員と利用者のコミュ ニケーションを図るため,仮想共有ディスプレイ,ホワイトボード,イメージツ ールは情報を伝達するためのものである.

 このシステムはワークステーションSONY NEWS-3000,同5000,音声ボード,イ メージスキャナを用いており,NEWS-OS 4.2.1R,X-Window,Motif上で開発を行 った.

3.2 ツールの機能と性能

(1) 制御ツール

 制御ツールは,いろいろなツールを立ち上げるために図書館員が利用する.

(2) テレビ電話

 テレビ電話は,図書館員と利用者間のコミュニケーションのために利用する. このツールは,図書館員と利用者のディスプレイにお互いの顔を映しだし,半二 重通信によって音声のやり取りを行う.性能は以下の通りである.

画像の大きさ   :160 x 120 pixel

音声のデータ   :μ-Law方式による対数圧縮8bitオーディオデータ

サンプリング周波数:8 kHz

量子化ビット数  :8 bit

チャンネル    :モノラル

音声の読み込み時間:0.4 sec

 データ量は,画像一枚あたり38400 byte,音声一秒間あたり8000 byteになる .また,テレビ電話による画像のみの転送の性能は,およそ4フレーム/秒送れる ことを実験により確認した.

(3) 仮想共有ディスプレイ

 仮想共有ディスプレイは,図書館と利用者の間の情報伝達のために用いる.具 体的には,図書館員がコンピュータ上で行っている検索などの操作や利用者のた めの情報を,利用者に見せることができる.また,このツールに対する入力は, 図書館員のみならず利用者からも受け付けることが出来るので,図書館員の入力 の続きを利用者が行う,といったことが可能である.

 具体的には仮想共有ディスプレイの実行によって,別々の実際のディスプレイ 上に仮想ディスプレイとも呼べる新たなウィンドウが作成される.このウィンド ウは,同じ表示や動作を行い,それぞれの入力を受け付けることが可能である. Fig.2に利用例を示す.

 この入力に関しては,仮想共有ディスプレイを立ち上げた側にあるスイッチウ ィンドウをマウスでクリックすることによって,立ち上げた側でしか入力できな い状態と,両方から入力できる状態に切り替えることが可能である.

(4) ホワイトボード

 ホワイトボードは,テレビ電話と同じくコミュニケーションのためのツールで あるが,言葉を話しただけではわかりにくいと思われる漢字や同音異義語などを 説明するために,言葉や絵を描いてコミュニケーションするために利用する.具 体的には,ある一つの領域を図書館と利用者で共有して,そこに説明したい言葉 や絵などを描くことが出来る.

(5) イメージツール

 イメージツールは,電子化されていない図書の一部分を利用者に見せるために 用いる.具体的には,図書館員がイメージスキャナに本をセットしたあと,この ツールを使って表面を読み取り,図書館員と利用者のそれぞれのディスプレイ上 に表示する.性能は以下の通りである.

読み込む画像の大きさ :A4,B5,葉書,A6のいずれか

解像度 :200,100,75 dpiのいずれか

スケール :200から50 %

3.3 要求される機能に関する検討

 協調作業を支援する環境においては,情報を共有し伝達するツールは特に重要 なツールである.このようなツールを図書館の利用者サービスに利用するにあた っては,

などが重要な点だと考えられる.そこで,現在使用されている,情報を共有し伝 達する機能を持つアプリケーションについて検討する.

 まず,本学に導入済のSUNの電子会議システムであるShowMeを検討する.ShowMe はShowMe Video,ShowMe Audio,ShowMe Whiteboard,ShowMe SharedAppの四つ のツールから構成されており,この中のSharedAppが情報を共有するためのアプ リケーションである.

 SharedAppは上記の点を検討すると,

といった点がある.

 仮想共有ディスプレイについては,

といった点がある.

4 書架のイメージを持つ蔵書検索システム

4.1 システムの概要

 書架のイメージを持つ蔵書検索システムは,図書館の蔵書を利用することを主 な目的として作成されたシステムである.本システムは,図書館の蔵書の書誌デ ータを検索対象とした書架のイメージを持つOPAC(以下に,このShelf OPACをSOPAC と呼ぶ)であり,ディスプレイ上でイメージ化した蔵書を利用して書架のブラウ ジングすることができる.Fig.3にシステムの利用例を示す。

 その特徴は,分類体系により組織化された分類書架をブラウズする機能の強化 と,ワークステーションのディスプレイ上で現実の図書館における開架式の検索 に便利なブラウジング手段と図書館情報システムOPACの強い検索手段の結合によ る,分散環境での高度な個人指向の検索利用環境である.

4.2 書架のイメージを持つOPAC(Shelf OPAC)

 SOPAC(Shelf OPAC)は,本学附属図書館の蔵書を検索対象として,学内のネッ トワークの分散環境におけるワークステーション上に構築したOPACである.現在SOPAC のデータベースには,11万冊分の蔵書の目録データが収録されている.SOPACの データベースは全文指向のデータベース構築ツールで構築され,検索ソフトは全 文指向の検索ツールで開発されているので,利用者はより柔軟な検索操作を行な うことができる.また,SOPACはワークステーションのX-Window上に構築したGUI(Graphical User Interface)を用いており,利用者が容易に検索を進めることができる.

 外観により図書を探す場合,図書の表紙のデザイン,図書の高さや厚み,書名 が図書を識別する重要な特徴となる.機械上で図書の外観をイメージ化する場合 ,図書の表紙の画像データを利用すれば,図書の形と組合せ,現実の図書の外観 をまねるものを作り上げれば理想的である.それを実現するためには,本来図書 の表紙を一つひとつイメージスキャナでマシンの中に取り込み,作成した表紙画 像データと図書の書誌データとひとつひとつをリンクしなければならない.しか し本システムは,処理対象が本学附属図書館の11万冊の蔵書があることとシステ ムの実現可能性の面から,図書の表紙画像データによる方法は用いず,本の高さ と厚み,書名を用いて,図書の外観イメージを作成する方法を用いた.

 蔵書のイメージ化とは,まず書誌データ中の図書の頁数とサイズを元にして, 高さと厚みを持つ具象的な本の画像を作成することにより,一冊一冊の図書の外 見をイメージ化する.図書を識別するため,図書の背表紙に書名を表示する.次 に,それらを一定の順番で並べ,蔵書書架全体をイメージ化する.

 書架のイメージを持つ蔵書検索システムSOPACにおける利点を以下に示す.

4.3 書架イメージを持つ蔵書検索システムの利用例

SOPACによる検索は,図書のイメージ化によって,実際図書館に行って見回り ながら本を探すのと同様,またはそれ以上の効果が得られる.しかし,SOPACか らは他のOPACと同じで,書誌情報と所蔵場所しか得られないために,少しでも利 用者が内容情報を見るためには所蔵場所に出向かなければならない.

 そこで,協調作業支援システムを利用し,図書館から離れた利用者が,図書館 員に本を見せてもらうことが考えられる.具体的な手順は以下の通りである.

(1)利用者は協調作業支援システムを利用して,図書館員にアクセスする

(2)図書館員は,利用者から本を見せてもらいたい旨を聞き,共有仮想ディスプ レイ上でSOPACを起動する

(3)利用者は,SOPACを利用して求めている図書を探す

(4)利用者は,見せてもらいたい図書が見つかったら,図書館員にその旨を告げ る

(5)図書館員は,利用者が指定した図書を書架から探す

(6)図書館員は,書架から探した図書をイメージスキャナやTV電話を利用して, 利用者に見せる

(7)利用者が満足したならば,図書館員は作業を終了する

5. サービスの事例とその評価

5.1 事例:OPAC利用の手ほどき

 本システムの利用性を評価し,協調作業支援システムの図書館サービスへの適 用性を確かめるために,「OPACの利用方法を利用者に手ほどきする」ことを例と して実験を行った.

 この例では,本学で開発され,実際に利用されているワークステーション版OPAC(Online Public Access Catalog)[11]である,XOPACを「OPAC」として用いた.XOPACは,X-Window ,Motifによって作成されており,ワークステーション上で稼働している.また ,グラフィカルユーザインタフェースを用いているために,キャラクタユーザイ ンタフェースを持つ「OPAC」に比べて,マウスなどを用いて簡単に利用できるよ うになっている.Fig.4にXOPACの利用例を示す。

 XOPACは,検索ウィンドウ,検索結果表示ウィンドウとメモ帳ウィンドウの3 つのウィンドウによって構成されている.それぞれのウィンドウの外観をFig.5 に示す.

 実験は,本学のLANと2台のワークステーションを用いて行った.2台のワー クステーションは,Fig.6に示すようにネットワークでつながっている.

 具体的な操作手順は,まず,検索ウィンドウによって検索を行い,検索された 集合が表示される.次に,その集合を選び検索結果表示ウィンドウを開くと,検 索された集合の中の本のタイトルの表示が行われ,ある本を選び詳細表示を見る ことも出来る.最後に,メモ帳ウィンドウに書き写すことによって,詳細表示を 手元に残したり,印刷することが出来る.

 この事例を行うにあたっては,本学学生を調査対象とし,実験のためのシナリ オを作り,それを元に実験を行った.Fig.7に実験を行っている様子を示す。

以下に実験に用いたシナリオを示す.

(1)図書館員が,検索ウィンドウについて説明する

(2)図書館員が,簡単な検索を行う (具体的には,一単語を書名で検索する)

(3)図書館員が,結果を表示し,検索結果表示ウィンドウの説明をする

(4)図書館員が,結果をメモ帳に写し,メモ帳ウィンドウの説明をする (具体的には,文字入力方法,メモの保存方法,メモの印刷方法を教える)

(5)図書館員が,複雑な検索方法について解説し,検索する (具体的には,ANDなどの説明を行い,複数の単語を検索し,AND操作を行う)

(6)図書館員が,結果を表示する

(7)図書館員が,終了の方法を教える

(8)図書館員がガイドをしながら,利用者が簡単な検索を行い,結果を表示する

(9)図書館員がガイドをしながら,利用者がメモ帳を使ってみる

(10)図書館員がガイドをしながら,利用者が複雑な検索を行い,結果を表示する

(11)図書館員が利用者にわからないところを聞き,解説する

(12)利用者が満足するまで使う

(13)利用者がXOPACを終了する

 なお,利用者は実験中いつでも図書館員に質問を行うことが可能であり,わか らないところや聞きづらかったところを聞き直すことができる.

5.2 評価のためのアンケート

 実験の前後に,利用者にアンケート調査を行った.質問は5から1の5段階 評価と自由回答の二種類を用いた.質問内容は大きく分けて,現在までの情報検 索ソフトの利用頻度,テレビ電話について,仮想共有ディスプレイについて,シ ステム全体についての四つである.ここでいう情報検索ソフトは,従来からのキ ャラクタユーザインタフェースを持つOPACと本学で開発したグラフィカルユーザ インタフェースを持つXOPACの二つを指す.

情報検索ソフトの利用頻度は,学生がどれくらい自分で情報検索ソフト利用し ているかということと,コンピュータの扱いに慣れているかどうかについての質 問である.テレビ電話については,テレビ電話としての機能を満足しているかど うかと各機能の有用性の評価を聞いている.仮想共有ディスプレイについては, 自分の操作がよく伝わり相手の操作がよくわかるかと,利用性の評価を質問して いる.システム全体については,システムの総合評価や,システムの将来性につ いて評価を行ってもらう.

 次に,アンケートの設問と評価方法を示す.

Q. 1 OPACを利用していますか.

     よく利用する:5 − まったく利用しない:1

Q. 2 OPACを利用しない理由を教えてください.

     1.利用方法がよくわからない

     2.端末を使っての利用が面倒である

     3.図書館でしか使えないので不便でる

     4.OPAC,XOPACがあることを知らなかった

     5.その他

Q. 3 XOPACを利用していますか.

     よく利用する:5 − まったく利用しない:1

Q. 4 XOPACを利用しない理由を教えてください.

     1.利用方法がよくわらない

     2.端末を使っての利用が面倒ある

     3.図書館でしか使えないので不便でる

     4.OPAC,XOPACあることを知らなかった

     5.その他

Q. 5 キーボード,マウスの操作に慣れていますか.

     よく慣れている:5 − まったく慣れていない:1

Q. 6 "Talk"ボタンは使いやすかったですか.

     使いやすい:5 − 使いにくい:1

Q. 7 相手の音声での指示は聞き取りやすかったですか.

     聞き取りやすい:5 − 聞き取りにくい:1

Q. 8 TV電話は,対面して話するのと比べて意思の疎通はかかりやすかったですか.

     はかりやすい:5 − はかりにくい:1

Q. 9 相手のカーソルによる指示はわかりやすかったですか.

     わかりやすい:5 − わかりにくい:1

Q.10 相手の操作についていきやすかったですか.

     ついていきやすい:5 − ついていきにくい:1

Q.11 自分の操作が相手に伝わりましたか.

     よく伝わった:5 − まったく伝わらなかった:1

Q.12 同じ端末の画面を見ながら教えてもらうのと比べてどうでしたか.

     とてもよい:5 − まったくよくない:1

Q.13 TV電話と仮想共有ディスプレイの機能は噛み合っていましたか.

     よく噛み合っていた:5 − 全く噛み合っていない:1

Q.14 横にいて教えてもらうのとこのシステムは比べてどうですか.

     自由回答

Q.15 LAN環境におけるこのようなシステムは有効であると思いますか.

     とても有効である:5 − 全く有効でない:1

Q.16 使い勝手に不満があるとするとどのようなことでしょうか.

     自由回答

Q.17 システムについて,ご意見を自由にお書きください.

     自由回答

5.3 評価結果

 アンケートの結果をTable.1に示す.

 「Q.1 OPACの利用頻度」については,1の評価はなかったので,全員が何回か は利用しているが,逆に5の評価もなかった.

 「Q.3 XOPACの利用頻度」については,本学付属図書館で稼働し始めてから間 がないためか,1と2が6割を占めた.しかし,GUIを用いているためか,OPACの 利用頻度には見られなかった5の評価が3%あった.

 「Q.5 キーボード,マウスの操作に慣れているか」については,まったく慣れ ていないという人が約1割(13%)いたが,それ以外はだいたい慣れているようで ある.

 「Q.6 "Talk"ボタンの使いやすさ」については,83%の人が3より上の評価であ った.このボタンは,日常ではあまりない半二重による音声のやり取りのために 作ったものだが,違和感なく使えたようである.

 「Q.7 相手の音声による指示は聞き取り易さ」については,1、2の評価が半数 以上(54%)を占めた.これは,相手の指示自体の分かりやすさと,スピーカから 出る音の聞き取り易さを含んだ質問であるが,スピーカからの音が聞き取りにく く,こういう結果が出たようである.なお,実験中の周りの騒音については,総 体的に静かであった.

 「Q.8 テレビ電話で意志が伝わったか」については,すべての人がある程度は 伝わったと感じたようである.しかし,音声のやり取りが半二重であったり,ス ピーカからの音が聞こえにくく,評価はあまりよくなかった.

 「Q.9 相手のカーソルによる指示」については,96%の人が3以上の評価であっ た.どのボタンを押していいかわからなくなったときなどに,指示してもらえる のがよかったようである.

 「Q.10 相手の操作についていきやすかったか」については,94%の人が3以上 の評価であった.前項と合わせて,カーソルによる指示は非常に便利に利用でき たようである.

 「Q.11 自分の操作が相手に伝わったかについては,93%の人が3以上の評価で あった. 仮想共有ディスプレイの総合評価はとても高い.

 「Q.12 隣にいて同じディスプレイを見ながら教えてもらうのと比べてどうか 」については,89%の人が3以上の評価であったので,ほとんどの人が隣で教えて もらうのと比べて遜色なく教えてもらえると感じているようである.

 「Q.13 テレビ電話と仮想共有ディスプレイの機能の噛み合い」については,97% の人が3以上の評価であった.実際には,音声がカーソルによる指示に比べて若 干遅れているのだが,気にならなかったようである.

 「Q.15 LAN環境におけるこのようなシステムは有用であるか」という質問につ いては,すべての人が3以上の評価で,かつ半数以上(53%)が5の評価であった.

 次に自由回答であるが,質問は3問設定した.

 「Q.14 横にいて教えてもらうのとこのシステムを使うのと比べてどう か」 ,という問に対しては,

といったシステムに関する問題で不満がいくつか述べられていた.

 「Q.15 使い勝手の不満」に対しては,多少違和感はあるが教えてもらったこ とはわかったと,隣で教えてもらうのと同じように教えてもらったことがわかっ たという意見で90%を占めていたが,

と,TV電話に関する不満が多かった.

 「Q.17 システムについての意見」では,

といった好意的な意見が多かった.Q.15と同じくシステムの有用性を利用者が認 めているからであろうと考えられる.

 以上のアンケートの結果から,システムとしての評価はまずまずであったが, システムの一つひとつの部分については,まだ改良を施す必要があることがわか った.特に,TV電話に関しては,音声の問題が大きくアンケートに反映していた .しかし,この問題に関しては,ハードウェア的な制約によるところが大きい. また,TV電話は仮想共有ディスプレイに比べて多くのデータ量を送っているため に,共有ウィンドウより若干相手の操作の反映が遅れてしまうので,このことを 指摘する意見もいくつかあった.その反面,共有ウィンドウについての不満はな く,むしろ好意的な意見が多かった.

 LAN環境におけるシステムの有用性については,すべての人が良い評価であり ,また自由回答にも,好意的な意見が多い.これは,実験に参加してくれた人た ちが,このような協調作業支援システムに対するなんらかの将来性を感じてくれ たと考えられる.

 次にこのシステムを利用した実験での,各人の所要時間の分布図をTable.2に 示す.

 時間的には,10分から25分の間に分布しており,平均時間は17分であった.時 間の分布が広いのは,利用者に満足するまで使ってもらう場面において,とこと ん自分で使ってみる人とまったく使わない人やあまり使わない人がいたためであ る. 

また,システムを使った場合と隣で教えてもらった場合を比較するために,4 人の人にシステムを使わないで同じシナリオの実験を行ってもらい,所要時間を 計測した.Table.3に所要時間の分布図を示す.

 この実験での平均時間は,10.5分であった.

 この結果から,人と人の間にシステムが入ることによって,5割ほど時間が増 えることがわかった.理由としては,介在するものが増えたことも原因ではある が,システムを初めて使った人ばかりなので,戸惑っていたり,勝手のわからな い部分もあると思われる.今後,システムを何度も使って慣れることで,この時 間の増加は2,3割ほどになると考えられる.

6. 考察

 今後,ディジタル図書館が構築され発展することによって,情報の量と種類は 膨大になると考えられる.そういった場合,ディジタル図書館利用者が情報の中 で迷子にならないためや,利用者の多くの情報に対するアクセスを助けるために も,ネットワークを介した利用者サービスは非常に重要になると考えられる.

 本研究では,協調作業支援システムを図書館サービスに適用したが,これによ って,図書館員にそばにいて教えてもらうのと変わらなく,またそれ以上に利用 者が学習や検索操作が行えることが確認できた.

 しかし,現在のシステムでは,通信のための情報量やプロトコルがLANを想定 して作成したために広域ネットワークには対応しにくい.また,図書館員と利用 者が密にコミュニケーションを取るためやシステムを本来の参考調査に使用する ために,システムを改良したり,新たな機能を付加したり,ハードウェアの改善 を行うことが考えられる.以下に改善点を列挙する.

 また,システムの利用方法についても簡単にディジタル図書館にアクセスでき るようにしなくてはいけない.従来の図書館においては,利用者がカウンタに来 て図書館に参考調査を依頼することで業務を開始したが,ネットワークを介して 協調作業を行う場合,電子メールなどであらかじめ予約をとっておく間接的な方 法と,思い立ったそのときに決まったコンピュータにアクセスする直接的な方法 が考られる.前者に関しては,図書館員にとっては好都合かもしれないが,利用 者に対しては調査が遅くなる可能性もあり,このシステムの長所であるリアルタ イム性を活かせないことになる.後者に関しては,利用者はすぐに調査を行って もらうことが出来るのでよいかもしれないが,この参考業務を行うためだけの図 書館員が必要であることや誰がアクセスしてくるかわからないという問題がある .

 本来は,参考調査を行ってもらいたいと思い立ったときに,すぐにディジタル 図書館にアクセスして調査を行ってもらえるのがよいのだろうが,図書館員が参 考業務を同じ時間に複数の人に対応できないことや,いつでも参考業務が行える 図書館員を確保できるとは限らないので,電子メールや電話などを用いてあらか じめ予約を取り,行うことになるだろう.

7. おわりに

 将来,ネットワークにつながったディジタル図書館が多く構築されると考えら れる.また,ネットワークやマルチメディア技術もますます発展し,大量の動画 データや高精細な画像データなどが送れるようになる.それにともなって,ディ ジタル図書館の蓄積される情報も増大し,多種多様な利用者に情報が提供される ようになる.利用者は居ながらにして,自分の求めている情報を抄録,本文,所 在場所などを問わずに手に入れることがたやすく可能となるであろう.

 本稿では,こういったディジタル図書館において,図書館員が利用者のために どんなサービスを行うことが出来るだろうか,またそのサービスを行うためにど んなシステムが必要かを述べた.実際にLAN環境における協調作業支援システム を作成し,本システムの利用性を評価するためと,協調作業支援システムの図書 館サービスへの適用性を確かめるために実験を行い,アンケート調査を実施した .その結果,LAN環境におけるディジタル図書館のための,このようなシステム の必要性を多くの人が感じ,それともに,よりコミュニケーションのしやすいソ フトウェアの開発を望んでいることがわかった.

 今後,ディジタル図書館が構築され,図書館がよりよい情報提供の場所となる ためにも,実際に協調作業支援システムを利用する段階において,まだまだ協調 作業システムの改良と新たなツールの付加が不可欠であると考えられる.

参考文献

[1]安達淳. “電子図書館設立の条件”. ディジタル図書館. No.1, p.23-27(1994)

[2]内海啓也. 「関西館」構想について. 国立国会図書館月報. No.400・401, p.26-29(1994)

[3]長尾真. 電子図書館. 東京, 岩波書店, 1994, 125p.(ISBN 4-00-006515-7)

[4]細江孝雄. アメリカの`情報ハイウェイ´最新事情. 現代の図書館. Vol.32, No.2, p.137-139(1994)

[5]堀口光, 藤原達也. “「パイロット電子図書館システム事業」の概要”. デ ィジタル図書館. No.2, p.39-42(1994)

[6]山本毅雄. “電子図書館員の仕事とその道具”. ディジタル図書館. No.1, p.29-37(1994)

[7]Marshall, C. C.; Shipman, F. M.; McCall, R. J. "Puttting Digital Libraries to Work:Issues from Experience with Community Memories". Proceedings of Digital Libraries '94. Schnase, J. L.; Leggett, J. J.; Furuta, R.K.; Metcalfe, T., eds. Texas, 1994, p.126-133.

[8]Ehrlich, K.; Debra C. "Turning Information into Knowledge: Information Finding as a Collaborative Activity". Proceedings of Digital Libraries '94. Schnase, J. L.; Leggett, J. J.; Furuta, R.K.; Metcalfe, T., eds. Texas, 1994, p.126-133.

[9]Branscomb, L. et al. NSF Blue Ribbon Panel on High Performance Computing. National Science Foundation, 1993, NFS 93-205.

[10]National Science Foundation, Advanced Research Projects Agency, National Aeronautics and Space Administration. Research on Digital Libraries. National Science Foundation, 1993, NFS 93-141.

[11]Fujita, T.; Sakaguchi, T.; Sugimoto, S.; Tabata, K. “Transporting an Online Public Access Catalog from Mainframe to Distributed Evvironment ”. 47th FID Conference and Congress. 1994. p.444-448.

Fig.1 協調作業支援システムの構成図

Fig.2 仮想共有ディスプレイの利用例

Fig.3 書架のイメージを持つ蔵書検索システムの利用例

Fig.4 XOPACの利用例

Fig.5 検索ウィンドウ,検索結果表示ウィンドウ,メモ帳ウィンドウ

Fig.6 実験の環境

Fig.7 実験を行っている様子

Table.1 アンケートの結果

Table.2 システムを利用した人の所要時間の分布図

Table.3 システムを利用しなかった人の所要時間の分布図